家を売却したら確定申告をしよう!申告方法&注意点を解説
家の売却で利益が出た場合、確定申告が必要なのはご存知でしょうか。
- 家が売れて儲かったから安心だ
- 無事に売れたからこれで終わり!
というわけにはいきません。
万が一、
- うっかりしていて確定申告を忘れていた……
- 面倒くさいし、どうせバレないから申告しないでおこうかな
と考えている方がいたら要注意です。
確定申告を忘れてしまった場合、罰金や罰則が課せられる恐れがあります。
でも、確定申告なんてしたことがないし誰に相談していいかも分からない……と不安に思っている方も多いでしょう。
確定申告は「税金」や「法律」のことが絡んでくるため、よく分からないことが多いですよね。
そこで今回は、家を売却する際の確定申告の方法や注意点を解説します。
これから家を売却する方や、家を売却して確定申告をする必要がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読めば、苦手意識を持たれている方も安心して確定申告ができますよ。
確定申告が必要なケース&不要なケース
家を売却して利益が出たら、確定申告をしなければなりません。
家などの「不動産」を売却した際の利益は、会社員としてもらう給料とは別に課税されます。
また、「特別控除」などは確定申告をしないと認められないため、たとえ儲けがなくても確定申告が必要です。
例えば、
- 居住用財産を売却した際のいわゆる「3,000万円特別控除」
- 空き家を売却した際の控除
などが挙げられます。
一方で、購入した時よりも安い価格で家が売れた場合は、確定申告をする必要はありません。
しかし、会社員や公務員の方は「税金の還付」を受けられるので、確定申告することをおすすめします。
確定申告に必要な書類
家を売却した際の確定申告にはさまざまな書類が必要です。
それぞれ解説していきます。
確定申告書付表兼計算明細書
いわゆる「確定申告書」のことです。
- 不動産の所在地
- 売却時期
- 売却金額
- 支払い済みの諸経費
などを記載します。
なお、不動産売却後に税務署から書類が送られてきますが、税務署で直接取得することも可能です。
登記事項証明書
法務局で誰でも取得することができます。
また、インターネットでの取り寄せも可能です。
売買契約書の写し (売却時)
不動産を売却した時の不動産売買契約書が必要です。
コピーでもかまいません。
売買契約書の写し(購入時)
売却した不動産を取得した「当時」の売買契約書です。
- 相続で取得した家である場合
- 購入時の金額が分からない場合
などは、売却金額の5%を不動産の概算取得費として計算します。
諸費用などの領収書
- 売却にかかった仲介手数料
- 境界立ち会い費用
などの領収書が必要です。
これらはコピーでも問題ありません。
10年超の居住用財産を売却した場合はお得に!
居住用の家を売却する際の控除の特例には、以下のようなものがあります。
- 居住用財産を売却した場合の3,000万円控除の特例
- 居住用財産を売却した場合の軽減税率の特例
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 被相続人の居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除の特例
これらの控除をうまく活用できてお得なのが、「10年超の居住用財産」を売却した場合です。
10年超の居住用財産を売却すると、
- 居住用財産を売却した場合の3,000万円控除の特例
- 居住用財産を売却した場合の軽減税率の特例
の2種類の特例を併用して利用できます。
居住用財産を売却した場合、譲渡所得から3,000万円が控除できます。
さらに、6,000万円以下の部分と6,000万円超の部分には下記の税額がかかり、通常の税額よりも低い税率で計算するという特例を受けることが可能。
詳細は、専門分野のプロである不動産会社か税理士に確認しましょう。
家を売却した時の軽減税率表
課税長期譲渡所得金額(=A) | 税額 |
---|---|
6,000万円以下 | A×10% |
6,000万円超 | (A-6,000万円)×15%+600万円 |
確定申告の方法と時期
ここでは、確定申告の主な方法や時期について解説します。
確定申告の方法
確定申告の方法は主に3つあります。
①税務署へ直接出向く方法
あなた自身で確定申告を行うケースです。
税務署の職員に記入方法などを確認しながら、必要事項を記入することができます。
丁寧に教えてくれるので安心してくださいね。
時期によっては会場が混雑する可能性もあるので、早めに済ませた方が良いでしょう。
②電子申告(e-Tax)による申告方法
普段から忙しい方には便利な方法です。
ネット環境さえあれば、どんな場所からでも24時間申告することができます。
ただし、電子申告にはマイナンバーカードやカードリーダーが必要ですので、あらかじめ準備しておきましょう。
③税理士に依頼
税理士に依頼すれば、面倒な作業を含めすべて対応してくれます。
もちろん税理士費用はかかりますが、安心して任せることができますよ。
注意点として、確定申告の時期ギリギリに依頼するのは避けましょう。
この時期は税理士も多忙な時期ですので、できるだけ早めに相談することをおすすめします。
確定申告の時期
確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日までに、現在の住所地を管轄する税務署で行います。
申告期間はたったの1ヶ月間。
直前でバタバタしないためにも、事前にしっかりと準備しておくようにしましょうね。
確定申告をしないと「ペナルティ」がある
家の売却で利益が出たにもかかわらず確定申告を怠ると、どうなってしまうのでしょうか。
税務署から通知が来る
4月ごろに、税務署から「税金を払ってください」という通知が来ます。
放っておくと以下の税金がかかります。
- 無申告加算税
- 延滞税
どちらも重いペナルティが課されるので気をつけましょう。
無申告加算税が課される
無申告加算税とは、その名の通り「確定申告をしていないこと」に対してのペナルティです。
- 50万円までの部分・・・15%
- 50万円以上の部分・・・20%
の税金が課されます。
例えば、800万円の譲渡所得税を納税する義務があった場合、無申告加算税は以下の計算で求められます。
50万円×15%+(800万円-50万円)×20%=157.5万円
800万円の譲渡所得税とは別に157.5万円が加算され、大きな負担となってしまいます。
延滞税が課される
確定申告の期限を過ぎてしまった場合、過ぎた日数に対して延滞税が課されます。延滞税の税率は、原則として2ヶ月以内は7.3%、2ヶ月以降は14.6%です。
延滞したことに気づいたら、なるべく早めに納税しましょう。
参照:国税庁 延滞税について
悪質な場合は税務調査が入る
「面倒だからしなくていいだろう」と、確定申告が必要なことを知りながら故意に申告しなかった場合は、「悪質な行為」とみなされて税務調査が入ります。
さらに「所得隠し」とみなされると、重加算税が課されます。
重加算税の税率は決められてはいませんが、非常に重い税負担となります。
確定申告と納税は国民の義務。
必ずルールを守り、期限内に申告しましょうね。
まとめ
家を売却して利益が出たら、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。
忘れてしまうと怖いペナルティが待ち受けていますよ。
「利益が出ているか微妙だな……」と迷う方は、確定申告をするつもりで準備しておくと間違いありません。
「悩んだあげく何をしたらいいか分からず申告できなかった!」という事態を防ぐためにも、誰かに相談することが重要です。
相談先でおすすめなのは、売却から確定申告までワンストップで対応できる不動産会社です。
プロの専門家に相談することで不安が解消されて、スムーズな確定申告ができますよ!
確定申告や不動産売却には複雑な税金や法律が絡むため、一般の方には難しい分野です。
プロの力を借りてスムーズな確定申告を行いましょうね。