不動産売却における「割賦販売」とは?メリット・デメリット、損をしない方法を解説!
不動産について調べていると、「割賦販売」という言葉を見かけることがあるでしょう。
普段あまり聞き慣れない言葉ですが、割賦販売は地方で増加する空き家問題に対応でき、不動産会社・個人ともにリスクが発生しない流通方法として注目を集めています。
近年関心が高まっている割賦販売とは、いったいどのような不動産の販売方法なのでしょうか。
今回は、割賦販売の内容、割賦販売のメリット・デメリット、割賦販売を失敗せずに行なう方法などについて詳しく解説します。
割賦販売が気になっている人はぜひ参考にしてください。
不動産における割賦販売とは?
割賦販売とはどのような性質のものなのでしょうか。
割賦販売の内容と有利な点について、これからご説明しましょう。
割賦販売の定義
不動産における割賦販売とは、不動産物件の代金を分割で支払う方法です。
具体的な定義としては、2ヶ月以上の期間内に3回以上の分割払いをする方式となっています。
クレジットカードのリボ払いを、不動産の購入に置き換えたといってよいでしょう。
「分割で支払うのは住宅ローンと同じ」と思う人もいるかもしれませんが、住宅ローンは、金融機関が購入者と不動産業者の間に入って行なう支払い方法。
それに対して割賦販売は、金融機関を介さずに、購入者と不動産業者の2者間で行なわれるものです。
割賦販売はこんなときに有利
割賦販売のメリットは、金融機関の審査を受ける必要がないことです。
住宅ローンの場合、金融機関の審査を通過しないとローンは組めません。
他社からの借入が多い、過去に返済の延滞・滞納を繰り返したという理由でブラックリスト入りしている人は、住宅ローンが組める可能性は低いでしょう。
しかし、割賦販売の分割払いを利用すれば、ローンが組めず一括で購入できるほどの資産もない場合でも、あまり負担のない支払いが可能になります。
また、資産価値のない不動産売却においても割賦販売は有利です。
詳しいメリットについては次の章でご説明しましょう。
不動産売買における割賦販売のメリットとは
ここでは、不動産関連の割賦販売にはどのようなメリットがあるのかご説明します。
買主の費用軽減が実現
割賦販売は住宅ローンに比べて費用がそれほどかからないため、買主にとって支払いに負担がかかりません。
そして、そのメリットは売主にとってのメリットにもなります。
買主にとって支払いが楽ということは、それだけ購入のハードルが低いということ。
通常では買主が見つかりにくい物件も、買い手が見つかりやすくなるというわけです。
また、売主は一部の額を買主に融資(セラーファイナンス)することも可能です。
銀行融資より高めの金利になるため、その分売主の収益がアップします。
資産価値の低い物件売却におすすめ
再建築不可物件、経年劣化の激しい物件などは、なかなか売り手が見つかりません。
そのような買い手が見つかりにくい物件も、割賦販売を適用すれば買い手が見つかりやすくなります。
住宅ローンに比べると支払いの負担が軽く、購入で負担がかからない分、リフォームや再建築可能な隣の土地を購入するといった方法が可能になるためです。
長期にわたって買い手が見つからずにいる物件も、割賦販売によって販路拡大につながり、以前より買い手が見つかりやすくなるでしょう。
親族間売買にもおすすめ
親族間で所有している不動産を親族同士で譲渡する場合、贈与税が発生します。
贈与税は高額で相当な出費となるため、その支払いをめぐって親族間で頭を悩ませることに。
そのような負担を軽減するために売買という形を取り、住宅ローンを利用しようとしても、「買主・売主が親族など特別な関係」だとどの金融機関でも融資を断られてしまい、ローンが組めない可能性が高いのです。
しかし、割賦販売はそのようなルールがないため、親族間の売買も円滑に進められます。
不動産の割賦販売、デメリットも把握しておこう
多大なメリットがある割賦販売ですが、デメリットも存在します。
割賦販売を実践しようか検討している人は、デメリットがあることも把握して、本当に自分に適しているのか考慮する必要があります。
では、割賦販売のデメリットとは何か、次よりご紹介しましょう。
所有権移転登記のタイミングが難しい
割賦販売のデメリットは、所有権移転登記をどのタイミングで行なうべきか迷ってしまう点です。
一般的な不動産売買の場合、売却の代金を全額受け取って確認してから所有権移転の登記になり、売主に何一つリスクはありません。
しかし、代金を支払う・受け取るといった段階の前に登記を行なうと、その後に買主が破産などをした場合に支払い不可となってしまい、売主は大きな損害を受けることに。
かといって、割賦販売の支払いを完済したあとに登記を行なうという決まりにすると、買主のほうにリスクの比重が傾いてしまうでしょう。
このように、登記のタイミングをいつにするかで買主と売主が揉めてしまい、契約成立がしにくいケースもあります。
贈与税が発生する可能性がある
不動産の売買は割賦販売であれば無利息となりますが、親族間で行なった場合は、無利息分が贈与とみなされて税金扱いとなる可能性もあります。
利息分か贈与かの判断に明確な基準はないため、その対処法もはっきりとはしていませんが、割賦販売だから贈与税は関係ないだろうと安心はできません。
割賦販売を扱う不動産会社が少ない
割賦販売はいくつかのメリットがありながらも、不動産会社が扱う分割払いはいまだに住宅ローンが一般的。
割賦販売を扱う不動産会社は多くありません。
割賦販売には住宅ローンとは異なるルールがあり、そのルールをまだはっきりと把握できていない会社が多いのが現状です。
ルールを守らずに割賦販売を実施すると、宅建業法違反に該当する行為をしたことになってしまう恐れがあります。
そのため、どんな不動産会社も割賦販売を担当しているというわけではないのです。
割賦販売で失敗しないための対策とは?
ここからは、割賦販売のデメリットを回避する方法をご紹介していきます。
「みなし贈与」の対策を考える
親族間の割賦販売では、割賦販売自体は無利息であっても、利息分に該当する金額を贈与税とみなされてしまう場合があります。
みなし贈与の支払いを回避するためには、一般的な住宅ローンを基準にあらかじめ利息をつけることがおすすめです。
利息の支払いが発生しますが、贈与税で高い納税をするよりはよいでしょう。
買主の支払い延滞の対策を考える
支払い延滞・未払いのリスクがある割賦契約と同時の所有権移転登記の手続きですが、リスク回避の方法があります。
- 強制執行認諾文言付公正証書の発行
- 買主の不動産への抵当権の設定
強制執行認諾文言付公正証書を発行しておけば、何かあった場合に、一括返済による強制回収が可能になります。
強制回収の段階で買主は支払い能力が低下している状態ですが、買主の不動産に抵当権を設定しておけば、不動産を売却し、そのお金で未払金を回収することが可能です。
割賦販売の実績がある不動産会社を探す
割賦販売では、個人間で契約書を作成しての不動産売買も可能。
しかし、法的知識のない個人同士だとトラブルに発展する恐れがあり、リスクが大きいといえるでしょう。
かといって法律の専門家である弁護士などに依頼すると、依頼料が発生してしまいます。
そこで、割賦販売の実績が豊富な不動産会社に依頼・相談をすることをおすすめします。
まとめ
同じ不動産売買でありながらも住宅ローンにはないメリットがある割賦販売は、空き家問題などが浮上している現在、大いに注目されている不動産売買方法です。
しかしながら、割賦販売に関する実績を多数持つ不動産会社は簡単には見つからないため、苦労をしている方もいるでしょう。
そのような方はイエステーションに一度ご相談ください。
不動産売却においては、贈与税などの税金や法律などに関する難しい問題に直面することもありますが、イエステーションなら不動産売却・割賦販売の豊富な実績があるため、面倒な手続きにも対応可能です。
住宅ローンが組めない、所有物件が他社で売却不可と判断されたなどの悩みを持っている方は、イエステーションへお気軽にご連絡くださいね。