不動産売却コラム

相続した家を売却する手順とは?遺産分割協議や相続登記についても解説

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相続した家を売却する手順は、複雑かつ多くの手続きを伴います。大切な方が亡くなり、悲しんでいるのもつかの間、相続に関する手続きに追われる方も少なくありません。


相続が発生した場合、どのように手続きを行う必要があるのでしょうか。本記事では、相続した家を売却する手順や、相続人が複数いた場合の不動産の分割方法などを解説します。


遺言書を確認をする

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遺族の方が亡くなったら、遺言書を確認しましょう。遺言書がある場合は、それに従って相続を進めます。


不動産については名義人が存在しなくなるため、法定相続人の誰かが自分の名義に変更しなければなりません。不動産の名義を変更することを、相続登記といいます。


遺産分割では現金が絡むため、「不平等だ」「あの人には相続させたくない」などと揉めるケースが多いことから、生前に遺言書を用意している人が増えています。


遺言書の種類は、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2つ。自筆証書遺書は本人が記述するものであるのに対し、公正証書遺言は公証人が記述するものです。


2つのメリットとデメリットは、以下のとおり。

  • 自筆証書遺言
    • メリット
      • いつでも作成可能 費用がかからない
    • デメリット
      • 法的効力が認められず、無効になるケースがある
      • 隠匿される・紛失するリスクがある
  • 公正証書遺言
    • メリット
      • 公証人が作成してくれるため、内容が改ざんされにくい
      • 無効になりにくい
      • 失する心配がない
    • デメリット
      • 費用がかかる

遺言書を見つけたら、家庭裁判所で「検認」という手続きをしてもらいます。遺言書は、検認前に開封すると法律違反となり、5万円以下の過料を科されるケースもあるため注意しましょう。


遺産分割協議のあとに遺言書が見つかった場合でも、遺言書の内容が優先されます。


遺言書がない場合は、遺産分割協議を行う

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遺言書がない場合は、遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続が発生した場合に、相続人全員で遺産の分割について協議することです。


遺産分割協議を行った内容は、遺産分割協議書としてまとめます。遺産分割協議書には、預貯金や不動産といった正の財産だけでなく、借金や住宅ローンなどの負の財産についても、誰がどれだけ分割するかを詳しく記載します。


これにより、相続人同士のトラブルを防ぐことが可能です。また、預貯金や不動産の名義変更手続きに必要になるケースもあります。


遺産分割協議書には決まった書式がないため、自筆やパソコンで作ることもできます。ただし、一から作るのは大変な上、正確に記載しなければならないため、法務局にあるひな形を利用するのがおすすめです。財産が多い場合は、見落としを防ぐためにも財産目録を作成するとよいでしょう。


遺産分割協議書には、相続人全員の実印と署名が必要です。連絡を取りにくい相続人がいる場合や作成が難しい場合は、司法書士や弁護士などに相談しましょう。


不動産の4つの相続手方法

相続する上で、大変なのが不動産です。不動産の相続方法には、4つの方法があります。


現物分割

現物分割とは、1つの不動産を1人の相続人が相続する方法です。例えば、不動産が複数ある場合、相続人の1人ずつに不動産を分割したり、親の家に子どもがそのまま住み続けたりなどのパターンがあります。


代償分割

代償分割とは、1人の相続人が法定相続分以上の不動産を取得した場合に、多く取得した分に相当する現金を他の相続人に渡す方法です。例えば、相続人2人に対して相続の対象となる財産が2,000万円相当の不動産のみだった場合、1人が不動産を相続し、もう1人に1,000万円を現金で渡します。


代償分割を行う場合は、遺産分割協議書内に「代償分割により財産を支払う」旨を明確に記載しましょう。この記載がないと、贈与とみなされて贈与税の対象となる恐れがあります。


換価分割

不動産を相続人全員で平等に分けられる方法が、換価分割です。換価分割とは、相続した不動産を相続人の1人の名義に変更した上で売却し、得た利益を相続人全員で分割する方法です。


売却益に譲渡所得税が課されるケースがありますが、不動産相続の場合は「居住用不動産の3,000万円の特別控除」「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」などの特例の利用により、節税が可能です。


換価分割を行う際は、遺産分割協議書内に「換価分割のため、便宜上名義変更する」と記載しましょう。この記載がない場合や、早急に売却活動を行わず数年後に売却した場合には、贈与税がかかる恐れがあります。


共有分割

共有分割とは、不動産を相続人全員の共有名義にする方法です。共有名義にした場合、不動産を売却したり貸し出したりする際には、全員分の同意が必要です。相続人の1人だけが反対した場合でも、売却も貸し出しもできません。


共有分割はトラブルに発展するケースもあるため、慎重に検討しましょう。


相続登記を行う

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令和6年4月より、相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得した場合は、所有権の所得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。


正当な理由がなく義務に違反した場合は10万円以下の過料が科されるため、速やかに申請しましょう。


相続登記は自分でもできるのか

相続登記は、自分でも行えます。ただし、法務局の営業時間は平日の8時30分から17時15分までのため、対応が難しい場合もあるでしょう。また、管轄の法務局が遠方である場合や相続人が非協力的な場合など、スムーズに相続登記ができないケースもあります。


相続登記は自分でできるものではありますが、書類の作成・収集をしたり、法律用語を勉強したりしなければなりません。自分で行うのが難しい場合は、司法書士や弁護士などに相談しましょう。


相続登記に必要な書類

相続登記に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 亡くなられた方の戸籍謄本・除籍謄本
  • 亡くなられた方の住民票の除票または戸籍の附表
  • 法定相続人の戸籍謄本・印鑑証明書・固定資産課税明細書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 遺産分割協議書または遺言書
  • 法定相続人の住民票(不動産を相続する人のみ) など

相続登記に必要な書類は、遺言書がある場合と遺産分割協議の場合によって異なります。あらかじめ、法務局に必要な書類を確認しておくとよいでしょう。


相続登記を申請する

相続登記の申請は管轄法務局の窓口で行いますが、その際、「登録免許税」を納付します。書類に不備がなければ、1週間から10日程度で手続きは完了します。登録が完了すると「登記識別情報通知書」が発行されるため、名義が正しく変更されているか確認しましょう。


相続登記が完了したら、売却活動を開始しましょう。不動産の名義変更から引き渡しまでは、おおよそ6カ月程度かかります。


まとめ

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遺族が亡くなり、相続が発生するとやらなければならないことが多く、混乱してしまう方も少なくありません。特に、不動産についてはトラブルに発展するケースもあるため、弁護士や司法書士などに相談するのがおすすめです。


スムーズに不動産を売却したい場合は、相続にも精通している不動産会社に依頼しましょう。


不動産の相続にお困りの方は、「イエステーション」にご相談ください。イエステーションでは、弁護士や司法書士、行政書士などの各専門家と連携し、窓口一つでさまざまな問題に対応しております。ご相談は無料で行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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